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2016冬の風景

2017.03.31 / 活動レポート

こんにちは、TSURUMIこどもホスピスのファミリーケアマネージャーの市川です。今日は、TCHの普段あまり見えていない風景を、少し知っていただきたいな…と思っています。2回目の春を迎えるTCH。この冬TCHでは何が行われていたか。イベントもお休みだし、冬眠してる?と思われていた方も多いのではないでしょうか。

1月 雪景色のTCH

1月、ご家族ごとにホスピスに遊びに来てくださったお子さんたちは、10人ほどおられました。入院中や治療中で、幼稚園や学校にも行けなくて、まだどこにも外出できない病状のお子さんたちや、これからホスピスに行きたいと思ってくれているお子さんたちです。病院以外、家にこもりっきりだと、お子さんだけじゃなくて、きょうだいさんもお母さんもお父さんも、みんなちょっとずつしんどくなってきます。お子さんの病状はみんな違いますが、今だから出かけられる、そんなタイミングで、「ちょっと行っていい?」って言えるお友達の家があったら、ステキだろうな‥‥。そういう存在に、TCHはなりたいな‥‥。こんな実践が、この冬のささやかだけれど大事にしてきたTCHの活動の一つでした。

お子さんと家族のアイロンビーズ作品

たくさんのお子さんたちには届けられなかった時間ですが、この春を迎えることができなかったお子さんとご家族にとっては、とても大切なひとときでした。家族と一緒に過ごした温かい時間、そんな大切な思い出のひとコマに、私たちTCHキャストも加えていただけたことが、心からの喜びです。天国に旅立っていったお子さんたちとご家族の思い出は、これからもずっとホスピスにあります。

2月、これまでホスピスのイベントに参加してくださったお子さんとご家族に、ホスピスを利用してみての感想とご意見を伺うため、それぞれのご家庭を訪問して回りました。三重県、滋賀県といった他府県や、大阪府内でも、電車で行くとかなり遠いところまで、みなさん、こんなに遠いところからホスピスに来てくださっていたのだ‥‥と感慨深かったです。ご家族からいただいたご意見の中には、ホスピスへの温かい励ましのお言葉もたくさん含まれ、みなさんと共に創りあげていくことの大切さを、改めて感じることができました。

家庭訪問先の風景

なかでも、昨年5月に見学に来てくださって以来、一度もご利用いただいていなかったお子さん宅への家庭訪問では考えさせられることが多くありました。感染するような状況を極力避け、体調の安定に気遣ってこられたご家庭での介護の様子と、親御さんの愛情の中で大事に育っているお子さんの姿が、その表情から知れました。このご家族にとって、ホスピスに見学に来てくださったこと、そのこと自体がとっても大きな一歩だったのだと知りました。ホスピスとのつながりができた5月以降、ご両親がずっとTCHのホームページを見て下さっていたことも知りました。ホスピスの存在が、このご家族の安心の一つになっていたのだとしたら、それこそが、ホスピスがコミュニティの中に当たり前にある社会を目指す意味だと感じました。

ホスピスとのつながりは、決して回数ではなく、時間の長さでもなく、その1回の出会い、つながりが、お子さんとご家族にもたらした意味を一緒に感じることだと思っています。春分の日の今日、改めてこの冬の一日一日を振り返りました。ご紹介した風景はほんの一部分ですが、この冬、ホスピスは人の温もりに包まれた、とてもあったかい時間が流れていました。2017年春、またみなさんとホスピスでお会いできることを、楽しみにお待ちしています。

市川雅子