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2018年 冬の風景 

2018.03.02 / 活動レポート

冷たかった冬が、ようやく少しずつ緩み始めてきました。春が待ち遠しくてたまらないTCHから、この冬の思い出に残る風景をお伝えします。

≪雪が降った日、朝の風景≫

TSURUMIではこの冬、冷え対策としてレッグウォーマ―をしているスタッフの姿がよく見られました。寒いハウスですが、それぞれが楽しみながらの冬装備です。そして漫画や大人も楽しめる読書コーナーなど、本好きさんにはたまらない室内空間も充実してきました。コーヒーを飲みながら、ちょっと一息できる時間は、ホスピスに来られる親御さんにとっても、私たちスタッフにとっても大事なひとときです。

≪大きな部屋の本棚≫

2018年は寒波が何度もやってきました。そんな寒い冬の時期も、ハウスの中をポカポカ温かくしてくれたのは、子どもたちのかわいい声と笑顔と、ご家族からいただいた優しい言葉でした。

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「時間って長さじゃないんですね」そう言ってくれたのは、オープン当初からホスピスに来てくれていたお母さんです。ご家族みんなで、ホスピスで数時間を過ごされた後、ふっと出た感想でした。この言葉を伺って、とても嬉しかったです。オープンから2年、ホスピスの利用時間は長さよりも深さだということを、私たちは日々実感しています。だからこそ、ホスピスで過ごす時間の意味を、ご家族と一緒に考えるプロセスも、大事なホスピスケアの一部だと思うようになりました。その子にとって、ご家族にとって、この時間の大切さをお互いが同じように感じられた時、とても温かい気持ちになります。

「今だからホスピス」というお子さんとご家族は、この2年の間で増えてきました。ホスピスを利用する機会を、メンバーとなったご家族同士で少しずつ分け合うことが、「温かいな…」と思います。「うちの子はもう安定しているから、もっと必要な時期の子に使ってほしい」「あの一番しんどいときに、ホスピスがあったらよかったと思う」そう言って下さるご家族のことばを聞くたびに、涙が出そうになります。ひとり一人の「今」はみんな違いますが、その時間を同じように経験して来られたご家族だから、わかり合えるのだなと思います。「おたがいさま」そう言い合えることも、地域で支え合うホスピスの姿だなと感じています。

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「つるみりょくちはしんどくてもいきたい所!」そう言ってくれたのは、5歳の女の子です。痛みがあって、つらくて、眠れない時間を過ごしながら、おとなでは想像もできないような毎日を送っているのに、つるみに行きたいと言ってくれます。どんな状況にあっても、子どもの「したい!」という発意を受け止めていけること、そんな発意が生まれる場所であることが、ホスピスとしての意味だと思います。小さな女の子の一言一言が、ホスピススタッフの心にしっかりと、大きく積みあがっていった冬でした。今は、女の子が楽しみに待っている、ホスピスのお庭のチューリップ、毎日早く咲かないかな…と願いを込めながら眺めています。

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私たちが知らないところで、ホスピスは子どもたちにどう呼ばれているのでしょう。ホスピスのことを『つるみっこ』と呼んでくれる男の子がいます。『TCH』と言うよりも、とっても親しみのこもった呼び名だと思いませんか。この冬も、何人かの子どものご自宅に家庭訪問をさせていただきました。そして、つるみっこと呼んでくれる男の子のお家にもお邪魔してきました。男の子は、玄関の外まで迎えに来てくれるほど、全身で私たちを歓迎してくれました。お家の中では、チョコレートやお菓子がたくさんテーブルの上に置かれ、まるで「パーティー」のようでした。そんなとき、ふと目にしたお家のカレンダーにはしっかりと『つるみっこ』とありました。ホスピスに行く日が、カレンダーに大事に書かれていたのです。お子さんだけでなく、きっとお母さんもお父さんも、つるみっこに行くことを楽しみにしてくれているんだな‥‥と思うと、嬉しさで心がじ~んとなりました。

≪駐車場まで走る子どもとスタッフ≫

ホスピスにいる私たちは、寒さも忘れてしまうくらい、いつもこんな温かい気持ちに包まれています。子どもたちの声、親御さんの声、そして応援してくださる方々の励まし、それらすべてがスタッフやボランティアにとっての大きな力になります。ホスピスがこれからもずっと、お子さんやご家族にとって、安心して行ける場所、温かい気持ちになれる場所であり続けたいな‥‥と、春を待ちながら思う毎日です。

ファミリーケアマネージャー 市川雅子

≪お庭の部屋のデッキで、日向ぼっこする猫≫