AYAweek2022への参加

TSURUMIこどもホスピスは、今年度から中高生年代であるティーンへの支援に力を入れており、今回「AYAweek2022」へ初めて参加しました。AYAとは、Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の頭文字をとったもので、主に、思春期(15歳~)から30歳代までの世代を指しています。3月5日から13日の期間で「知ろう、一緒に」という目的の下、AYA世代の病気について「つながる」「学ぶ」「楽しむ」の3つのキーワードを掲げたイベントを2つ行いました。

■オンラインイベント■
1つ目は「TSURUMIこどもホスピスのええとこ」というオンラインイベントを行いました。施設の紹介やこれまでに行ってきたイベントの参加者からもらった感想や反応を交えながら「ええとこ」をお話させていただきました。

参加してくださった方々から質問や感想が多く寄せられ、一緒にイベントを盛り上げてくれたので本当に感謝の一言です。こどもホスピスが中高生にとってどんな存在なのか、改めて考える機会となりました。また、このようなイベントはどうですか、など今後のイベントのアイデアやアドバイスをもらい、自分たちでは考えつかないようなことばかりだったので色々な方の考えや想いを聞く機会をもらえたことは、とても良い経験となりました。


 
 
■ノンアルコールバー開店■
2つ目は「Mocktail Night」をTSURUMIこどもホスピスとオンラインのハイブリッド開催しました。「Mocktail(モクテル)」とは、似せた、真似たという意味の「mock(モック)」と「cocktail(カクテル)」を組み合わせた造語で、ノンアルコールカクテルの新しい呼び方です。お酒が飲めないティーンにもお洒落な雰囲気を味わいながら楽しんでもらおうと考え、企画をしました。普段バーテンダーとしてお店をされている上村さん、澤村さんにイベントのご協力をお願いしたところ、二つ返事で引き受けてくださいました。

モクテルを作る際の基本となるポイントやコツをアドバイスしてもらい、自分だけのオリジナルモクテルを作っている姿はみんなかっこよかったです。モクテルを写真に撮ってInstagramに挙げたり、ダーツをしたり、ティーンの子たちならではの楽しみ方だな、と感じました。

■病院にも。バーをお届け■
今回残念ながら現地での参加が難しい人のために、オンラインでバーテンダーにモクテルを教わる時間を持ちました。事前に届けた物品がこちらになります。離れていてもバーの雰囲気や特別感を味わってもらえるようなラインナップにしました。
 

直接顔を合わせて言葉をかわすことがもちろん1番なのかもしれませんが、それが叶わない現実があります。それは、病気やコロナ禍によるものが大きいです。では、何もできないかといえばそうではありません。できないなりに工夫して知恵を絞って、今できることの最大限を目指して準備を進めていきました。オンラインで参加した人から、完成させたモクテルの写真や参加をしてみての感想をもらい、イベントを実現させることが出来てよかったと思いました。寄せてくれた感想を紹介させてもらいます。

「グラスが可愛い、しかも貰えるの嬉しい」
「zoom慣れしていない故に病室の様子を伝えることができない」
「短時間で3種類のモクテルを飲むのはきつい」

良かった点、改善点を的確に教えてくれました。このような感想をピンポイントで教えてくれるのも、一緒にイベントを作り上げてくれているのが伝わってきてとても嬉しかったです。


 
 
■好きなことを当たり前にできるように■
それぞれの年代が参加するイベントはやってきましたが、ティーン世代に特化したイベントをTSURUMIこどもホスピスでは出来ていなかった部分であると改めて考えさせられました。これは今の社会にも言えることです。病気と向き合うティーン世代を受け入れるための受け皿が圧倒的に不足しています。病気の治療のために他の人が当たり前と思う出来事や体験の多くが抜け落ちてしまっており、治療後の生活に上手く馴染むことができず苦しんでいる若者が大勢います。ホスピスでは「好きなことを当たり前にできる環境をつくること」を目標に掲げ、病気によってつながるだけではなく、それぞれの好きや興味の世界が拡がるような機会と環境を整えていきたいと思います。
 
 
今回イベントのご協力を頂きました上村さん、澤村さん、病院関係者の皆様、イベントの写真や感想を寄せてくれた人たち、本当にありがとうございました。今後も病気と向き合う子どもやティーン世代へ向けた取り組みやイベントを企画しております。ご支援の程、どうぞよろしくお願い致します。

※写真に載っているお酒類はバーの雰囲気作りのために使用しています。イベント中にお酒類を提供したものではございません。


 
 
TSURUMIこどもホスピス 
スタッフ 川戸