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鈴木康太 すずき・こうた

教師

病弱教育を学んでいた学生時代、研修で出会ったのがこどもホスピスでした。「子どもの友だちでありたい」というポリシーに共感し、ボランティアスタッフとして関わることに。イベント運営や通常利用日のお手伝いをするなか、現場のあたたかい雰囲気をスタッフだけでなく利用者も一緒になってつくろうとしている、その態度や姿勢に触れて「いつか、ここで子どもたちと関わる仕事がしたい!」と思うようになりました。卒業後は現場で実力をつけるため、教員として特別支援学校へ。病気や障害をもつ子どもたちが、社会を生きるためにどんな技術が必要か、それをどう教えたらよいかを考えつづけてきました。念願のこどもホスピスでは、大学や前職の経験を生かしつつ、これまで関わってくださった方々への感謝を忘れず、自分らしく、楽しくやっていきたいと思います!

Q
実は大切にしている、子どもや家族と接するときのマイルールは?
A

まずは、気を使わせないこと。大人も子どもも関係なく、ひとりの人間として対等に関わるように心がけています。それから、「一緒にいて楽しい人だ」と思ってもらうこと。笑顔って伝染するんです。自分が笑っていると、周りもつられて元気になってくれることが多い。病気や治療がつらいときこそ、笑いの力を信じて、子どもたちの鏡として笑顔をたやさずにいたいですね。

Q
ふと「あ、こういう時間を大切にしたいな」と思った瞬間を教えてください。
A

なにかにピリッと集中している時間、みんなで笑い合う時間……。それから、子どもたちが遊んでいる様子を、大人がぼーっと見ている時間も大切かな。病気や障害をもつ子の親御さんは、つい「子どもが何をするかわからないから……」と、つきっきりで様子を見ている方がほとんどです。教員時代、僕も子どもを指導する立場だったので、心配な気持ちがよくわかります。これはこどもホスピスで活動するなかで気づかされたことのひとつですが、子どもにも自分だけの大切な世界があるということ。大人も子どもも、それぞれの世界を楽しみながら、互いに心を落ち着け、頑張るためのエネルギーを養う。そんな時間を大切にしていきたいですね。

Q
ここ最近の、こどもホスピスのくすっと笑える話を教えてください。
A

落語好きの男の子がダジャレを教えてくれました。指導の通りに披露すると、師匠のように「うむ」と一言、認めてくれたことですかね(笑)。この子は治療で視力が落ちてしまったのですが、耳で楽しめて、かつ身一つで披露できる落語が大好きなんだそう。かく言う僕も落語ファンで、声の出し方や場の読み方など、授業で使える技も学びました。いつかはこどもホスピスで、落語会をやってみたいな。

Q
あなたを表す◯◯教えてください!
A

ひとつめは「ヒーロー」。自分の意思を強く持ち、みんなのために動く人に憧れ続けてきました(仮面ライダー、大好きなんです!)。僕も常に誰かにとってのヒーローでいられるように心がけています。ふたつめは「笑い」。誰かを笑顔にすることが好きなので、いつでも笑いを届けられるように、病院を訪問して子どもと交流する道化師「ホスピタルクラウン」の象徴でもある、赤い鼻を懐に忍ばせています。