
10月20日、TSURUMIこどもホスピス(以下TCH)は「オープンミーティング2025」を開催しました。当日は、元利用者のご家族、ボランティア、寄付者、医療・教育関係者など、さまざまな立場の方々にご参加いただき、率直な意見交換の場となりました。
今回のミーティングでは、これまでの10年の歩みを振り返るとともに、「次の10年に向けて、どのようなホスピスでありたいか」をテーマにお話ししました。参加者の皆さまからは、「真剣に悩み、未来を見据えて活動している姿が伝わった」「これまで積み重ねてきたことを知り、安心した」といった声が多く寄せられました。
「寄付中心の運営に、これほどの工夫と努力があることを初めて知った」「話を聞いて、できることがあれば協力したいと思った」という言葉もあり、TCHが大切にしてきた“開かれた運営”が、少しずつ信頼として伝わっていることを実感しました。
中には、「個人投資家向けの株主総会のような安心感があった」と表現してくださった方もいました。運営の現状や課題、将来の見通しを包み隠さず共有することが、支援者との信頼関係につながっていることを、あらためて確認できる機会となりました。
一方で、「専門用語が多く、理解が追いつかなかった」「事業全体のつながりが見えにくかった」といったご指摘もありました。私たちにとっては日常の活動であっても、初めて触れる方にとっては分かりづらい部分がある -その事実を、率直な声として受け止めています。
「あるべき未来の姿を先に示し、そこから今を説明してほしい」というご意見もありました。今後は、図解や資料、動画なども活用しながら、より分かりやすく活動を伝えていく工夫を重ねていきます。
また、「全国組織としての基盤づくりが必要ではないか」「他地域のこどもホスピスと連携し、基準や仕組みを共有すべき」といった建設的な提案も寄せられました。こどもホスピスが全国に広がりつつある今だからこそ、安全管理や運営の考え方を共有する土台づくりが求められていると感じています。
運営面については、「スタッフやボランティアの負担が大きくなっていないか」「属人的なバランスで成り立っているように見える」といった心配の声もありました。人の想いに支えられてきた組織だからこそ、その想いを持続可能なかたちにしていくことが、次の10年に向けた重要なテーマです。
そのほかにも、地域の金融機関や商工会との連携、学校や教育現場との協働による社会復帰支援、認知度を広げていくための広報のあり方など、多くの具体的な提案をいただきました。
一方で、「メディア露出が過剰にならないようにしてほしい」「共感を押しつけるような発信は避けてほしい」という慎重な声もありました。TCHはこれからも、“伝えるため”ではなく、“分かち合うため”の発信を大切にしていきます。
印象的だったのは、「遊び」や「学び」に関する声です。「おもちゃやゲームを、もっと活かせるのではないか」「スタッフ同士で得意な遊びを共有できたら」という提案や、「勉強したい気持ちを持つ子どもたちを支える場があると心強い」といった保護者の声も寄せられました。
ホスピスにおける遊びや学びは、単なる活動ではなく、子どもたちが自分らしさを取り戻す大切な時間です。こうした声を、今後の取り組みにしっかりと生かしていきたいと考えています。
未来へ向けて“誰もが安心して自分らしくいられる場”であり続けるために
この10年、TSURUMIこどもホスピスは、多くの子どもたちとご家族に寄り添ってきました。病気や障がいがあっても、その子らしく過ごせる時間を大切にし、家族が孤立せず、安心して気持ちを分かち合える場所や人であること。それが、私たちの原点です。そして、これからの10年は、これまで大切にしてきた関わりを土台に、支えのかたちを少しずつ広げていきたいと考えています。
子どもたちが笑い、遊び、学び、未来を思い描くことができるように。また、きょうだいや保護者、支援者一人ひとりが、それぞれの立場のまま関われる場所であるために、私たちは組織としてもう一歩、進化していく必要があります。
また、寄付に支えられて成り立つ運営だからこそ、これからも透明性を大切にし、率直な対話を重ねていきます。専門家だけで完結するのではなく、地域の力、支援者の知恵、元利用者の経験と想いを結びながら、より良いかたちを模索していきます。
オープンミーティング2025で寄せられた多くの声は、私たちにとって大きな励ましであり、次の一歩を照らす道しるべとなりました。ご参加くださった皆さま、率直なご意見と温かな応援を、本当にありがとうございました。これからもTSURUMIこどもホスピスは、開かれた対話を大切にしながら、子どもたちとご家族、そして地域とともに歩みを続けていきます。
どうぞ、次の10年も変わらぬご支援と見守りをよろしくお願いいたします。