ご生涯の最後に遺されたラブレター ~遺贈寄付というご支援を受け取る中で

私たちTSURUMIこどもホスピスは、この10年間、寄付によるご支援を基盤に運営してまいりました。いつも温かく支えてくださる皆さま、本当にありがとうございます。

ご寄付には様々なカタチがありますが、ご自身の財産の一部を遺言を通じて社会のために託していただく「遺言寄付」や、ご遺族が故人様から受け継いだ大切な財産を寄付する「相続財産からの寄付」をいただくこともあります。

日頃、この遺贈寄付のやりとりをさせていただいているのですが、通常の寄付と何が大きく違うかというと、そのご本人様はすでにご生涯を閉じられている事実に直面することです。

実際にご寄付を受け入れるやりとりでは、関係する書類をお預かりし、内容によっては遺言書の該当箇所を確認させていただく場合があります。多くの遺言書には、残されるご家族や大切な方へのメッセージ(付言事項)が記された箇所があり、そこにはその方の歩んでこられた人生のこと、未来を生きる人々への願いなどの温かなメッセージが添えられています。そして、私たちのこどもホスピス活動への温かい励ましの言葉も、そこに丁寧に綴られていることが多いのです。

「LTCのこどもたちのことが多くの人々に認められ、取り巻く環境が少しでも良くなるよう、心より願っています。」

こんな温かな一文を残して世を去って行かれるーー。

ただ、その想いに心打たれてても、ご本人様に直接お返事を届ける術がありません。このもどかしさと寂しさは、この窓口に立つたび、私の胸の奥にあり続けてきました。直接「ありがとうございます」と伝えられない代わりに、その方が願った未来を確実に形にしていくこと。それだけが、私たちができる唯一のお返事なのだと思っています。

この世を去られた後も、誰かの未来を優しく照らし続ける温かなラブレター。私たちはこれからもその重みを胸に刻み、大切にバトンを受け取っていきます。

本当にありがとうございました。

※遺贈寄付というご支援について、「自分も一度考えてみたい」「どんな準備が必要となるのか知りたい」方に向けて、専用の案内ページをご用意しております。ご関心をお持ちの方は、ぜひ案内ページをご覧ください。

 

ホスピスネットワーク・遺贈寄付担当  水谷 綾

 

この記事を書いた人

水谷 綾(みずたに・あや)

水谷 綾

ホスピスネットワーク・遺贈寄付担当