これこそほんまもん!:のあっく自然学校「お魚倶楽部」@TSURUMIこどもホスピス

今回の体験プログラムは、「ほんまもん体験」の様々なプログラムを提供するNPO『のあっく自然学校』のみなさんが全面協力してくださいました。いろいろなプログラムの中のひとつ、「季節に応じた魚を素材に学ぶ『お魚倶楽部』の内容をTSURUMIで!」ということで来てくださいました。

10月8日、小学校1年生から5年生までのメンバーとそのきょうだいの子ども達7名が参加。ビニールプールの中で泳いでいるアジとハマチを見る・触るということから体験プログラムがスタートしました。はじめはこわごわ触っていた子ども達もだんだん馴れてきて、片手でアジをつかむ姿も!「ヌルヌルしてる」「硬かった」「手くさっ!」と、実際に触ったからこその言葉が飛び交いました。
                                

そして次は衝撃の場面到来!まな板の上でピチピチ暴れているハマチの頭を、大きな出刃包丁で切り落とされるところを間近で目撃!「ワーッ!」「キャー!」「残酷!」「かわいそう」という悲鳴に近い声が上がりました。「血や!」「すごー!」「メッチャ痛そう」との声も。この日最高に大騒ぎした場面でした。
 

最後の体験は、おろしたばかりのアジとハマチを本物の出刃包丁で切り身にしていくことです。一人一人『のあっく』のスタッフの方が指導してくださいました。急に無口になり、切り終わったあと大きく深呼吸する子どもも。真剣さの表れと緊張感からの開放でしょう。そのあとのホッとした顔・顔・顔…。自信と満足感に満ち溢れていました。
                                

自分でさばいたアジとハマチのお刺身をテーブルに並べて、家族の方を呼んで待ちに待った“お食事タイム”です。煮魚(鯛)とごはん(白米と鯛飯)も用意してくださいました。子ども達はすっかり仲良しになり、おしゃべりをしながらごはんを4杯おかわりしたり、お刺身を初めて食べることができたり…。おいしく食べることがお魚への感謝の気持ちです。

食後、頭を寄せ合って体験したことを絵に描いたり感想文を書いたりしました。全員、衝撃的なアノ場面のことでした (^.^) 


                                                                          
                            
病気をもつ子ども達は、受診や入院治療、在宅での看護などによって享受すべき体験の場が失われがちです。普段、魚釣りや水族館へ出かけることができにくい子ども達の『お魚体験』は、「知りたい」「やってみたい」を実現させるものでした。これからも、子どもが『病児』としてではなく、『子ども』としてやりたいことをして、きょうだいや他の子ども達と共通体験をすることで、自信をもったり、一緒に過ごす楽しさを感じたりすることができるようにしていきたいと思います。

今回ご協力いただいた『のあっく自然学校』の皆様、貴重な体験をご支援くださりありがとうございました。
 
ホスピススタッフ 饗庭真祐美