1周年イベントレポート③:1年を振り返って。そして、これからも皆さんとご一緒に

5月5日は、約200名の方のご参加をいただき、写真展を中心に、カフェでの賑わい、遊びのお楽しみがある、とっても素敵な時間が流れる一日でした。多くの方々にお集まりいただくのですから、「この一年、何が繰り広げられたのか」「実際、利用者の声は」「運営面での課題は?」など、皆さんが聞きたいんじゃないかな…ということをお伝えいたしたく、「TCH活動報告会」を開催することになりました。「16年度のTCH活動報告を行います~。ご関心のある方は、おおきな部屋にお集まりください」とアナウンスしたところ、あっという間に人は集まり多い時には50名を超える立ち見の状態に…。

オープンしてからの1年は、兎に角、ただただ走り続けていた日々でした。TCHのご利用を希望されるメンバーを受け入れつつ、小さな一つ一つの活動を積み上げていく毎日。多くの方の協力やご支援を得て進むことができましたが、その過程では、細かな説明や方向性をしっかりお伝えしたりご報告などをしきれないまま進んできた面(課題)もあったかと思います。しかし、そんなドタバタとした状況であっても、私たちスタッフを通じてメンバーの想いを受け止め、ともに考え、一緒に作ってくださった皆さまに、私たちは何を果たすことができて、積み残しているものは何かをお伝えしたいと、常々思っておりました。
 
報告会では、実際の活動の様子や、初年度としてできたこと・できなかったこと、メンバー家族にホスピスが提供できたことは何だったか―。そして、これからのケア活動や広場の計画など、マネージャーからご報告させていただきました。中でも、新しい組織体制や財政見通しを含めた運営面の課題や展望を説明した箇所については、参加者の皆さんが熱心に聞き入ってくださり、TCHが取り組もうとする慈善寄付に基づいた運営に対する関心の高さを改めて感じました。

各スタッフからの活動報告の中では、チャリティカフェを手伝ってくれたメンバーのSちゃんや、メンバーのYさん家族、そして、キャストボランティアのMさんからもコメントをいただきました。「TCHは、本当に多くの人たちに支えられているのだなあ…」と、TCHを包んでくれる“ひと”の豊かさを感じる時間にも…。

最後に、写真展を見に来られていた河村鶴見区長から「地域に開かれてたこどもホスピスとして、これからの活動により期待したい」という激励のメッセージをいただきました。皆さま、お忙しい中、足を運んでいただき、本当にありがとうございました!

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写真展のパネルに映し出される風景は、TCHで繰り広げられている、ご家族が過ごされる時間の一部分でしかありません。私たち(キャスト)は、TCHで楽しい時間を過ごしたメンバーが帰られる時、次の再会を願いながら子どもたちを見送ります。そして、とてもさみしいことですが、その再会がかなわなかったお子さんもおられます…。天国に旅立ったお子さんたちがTCHで過ごした時間と記憶-それは私たちの中に確実にあります。ご遺族の方が、その時間を、記憶を、「分かち合いたい」と思えるようになる時まで、確実に私たちが存在し続けること、これが私たちの大事なミッションです。

今後とも、末永く見守りいただき、私たちの取り組みをご支援ください。どうぞよろしくお願いします。

ゼネラルマネージャー(水谷 綾)