
世界的アーティスト レアンドロ・エルリッヒさんの作品が仲間入りしました
2025年4月、TSURUMIこどもホスピスの広場(原っぱエリア)に、アート作品《Infinite Garden(無限のお庭)》が誕生しました。
作品を手がけたのは、世界で活躍する現代アーティスト、レアンドロ・エルリッヒさんです。
作品は4つのお庭とその間の通路で構成された、いわば「大きな花壇」です。そこに内外に設置された巨大な鏡が組み合わさることで、目の前の風景がどこまでも続いて見える、まるで魔法のような仕掛けになっています。離れて作品を眺めるときと、近づいて覗き込むときではまったく違う景色が広がり、きっと驚かれると思います。
子どもたちは、合わせ鏡の中で永遠に続く自分を見つめたり、不思議に広がるお庭を覗いたり、花壇の植物で季節のうつろいを感じたり、まさに“無限”の楽しみを見出すことができます。
そんな時間が、子どもたちにとって新しい発見やワクワク、そして「生きる力」につながってくれたら―そんな願いが込められています。



金沢21世紀美術館で人気の《スイミング・プール》の作家としても知られるレアンドロさん。子どもたちとホスピスへとても温かで期待に満ちた想いを寄せ、この作品を託してくれました。
レアンドロさんのインタビュー動画です。最後までご覧いただけると、その想いがしっかりと伝わります。
実はこの作品、大阪・関西万博「静けさの森」にも登場しています。見比べられるチャンスがある方は、ぜひ両方の作品を体験してみてください。
地域で尽力された小児科医の想い
この作品の実現は、2022年に亡くなられた地域の小児科医・久野友子先生のご家族からのご寄付によって叶いました。
久野先生は生前、ホスピスの活動を温かく見守り、多くの応援をしてくださいました。その想いを受け継ぎ、今回の作品が広場に設置されました。きっと先生も、この場所から子どもたちを見守ってくれているような気がします。

アートパーク構想 ー現代アートの力を、子どもたちにー
この作品は、ホスピスの「アートパーク構想」の第1弾として設置されました。
普段、美術館に行くことも難しい病気の子どもたちが、もっと自由に、もっとのびのびと遊べる場を広げたい。そして、地域とホスピスがつながるきっかけにもなってほしい。そんな思いから、今後も少しずつ作品を増やしていく予定です。
現代アートには、正解のない自由さや、ちょっとした驚き、心を動かす力があります。
病気を抱えることで世界が窮屈に感じられることもある子どもたちに、「こんな世界もあるんだ」「こんなこと感じる自分もいるんだ」と、気持ちが楽になるきっかけになれば。そして、訪れたご家族や地域の方々にも、命や世界を見つめなおす静かな時間を届けられたら嬉しいです。
ホスピスの子どもたち向けチラシもかわいくできました!


原っぱエリアについて
「あそび創造広場」のうち、建物と中庭以外のエリアを「原っぱエリア(パブリックエリア)」と呼び、市民の方に開放しています。開門時間中はどなたでもご利用いただけます。
開門時間:月・木・金・土・日曜日10:00~17:00(夏季休館8/11〜15、冬季休館12/28〜1/4は閉門)
レアンドロ・エルリッヒ(Leandro Erlich)
1973年、アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれ。
私たちが常識として捉えている「概念」や「もの」の多くが、名称を通してイメージされた“思い込み”に過ぎないことを、作品体験を通して気づかせてくれるインスタレーションを数多く手がけている。
