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「やりたい」が「できた!」に

家族でお泊まりができた!

友だちと遊ぶ。勉強する。家族で過ごすーー。子どもやその家族が「病気だから」と諦めてきた日常の経験。TSURUMIこどもホスピスは、そんな「やりたい」ことに安心して取り組むための環境づくりをお手伝いしています。

「やりたい」が「できた!」に変わったエピソードを紹介していく本コーナー。今回は、すずちゃんとそのお母さんに登場いただきました。病気のため、毎年恒例の家族旅行を諦めかけていたというすずちゃん一家。こどもホスピスでの宿泊体験についてお話ししました。

2021年12月、すずちゃん、お兄さん、お母さんが、家族でこどもホスピスにお泊まりに来てくれました。この日宿泊する「おおやねの部屋」に到着すると、すずちゃんは早速大きなベッドにダイブ! スタッフ・川戸(かわと)とコタツでカードゲームを楽しんだり、クリスマスツリーを飾り付けたり、焼肉の材料を買いに出かけたりと、外泊を思いっきり楽しんでいるようでした。

一方、お母さんは病気のこと、子育てのことをスタッフの西出(にしで)とじっくり話している様子。その流れで、もう少しお話をうかがってみました。

▲晩ごはんの前は、スタッフとともに1階のコタツでカードゲームを楽しみました

——すずちゃんたち、今回も楽しそうでよかった!

娘は毎月のように「次はいつホスピスに泊まりにいくの?」と聞いてくるくらい、本当に楽しみにしています(笑)。家でできない遊びができるし、非日常を味わえるのが好きみたい。

——はじめてホスピスに来てくれたときから、「泊まりたい!」っておっしゃってましたね。

あぁ、言ってましたね。人工透析が必要になってから、娘が毎年楽しみにしていた家族旅行に行けなくなっていたんです。旅館やホテルでも透析はできるのですが、万が一何かあったらと思うと、親の方が不安になってしまって……。諦めかけていたとき、病院でこどもホスピスを紹介してもらいました。お話を聞いたときは「うちの子がホスピスなんて」と利用する気持ちになれませんでしたが、家族で宿泊できると知って足を運んでみることに。実際は、私の持っていた「ホスピス」のイメージとはかけ離れた、明るくて楽しい空間に驚きました!

▲2階「みんなの部屋」にある、本格的なダーツ。大人も一緒に楽しめる

——今日でお泊まりは2回目。1回目は、ちょっと変わった場所で寝ていましたね!

大きな部屋にテントを立てて、そのなかで宿泊しました。透析をするにはコンセントが必要なので、テント泊をしたことがなくって。それが「あ、できたな」と思った瞬間でした。テントは、わたしとずすで1つ、お兄ちゃんとお姉ちゃんで1つ……のはずが、結局みんなで1つのテントに寝てた(笑)。

——狭いのに(笑)。あとはテントで寝ながら映画を観たり、カードゲームをしたり。

そうそう。映画は『グリンチ』を観ました。「クリスマスを盗む」っていうお話だったかな。すずは、UNOと真剣衰弱が得意なんですよ。誰にも負けないし、自信があるみたい。私が勝ちはじめると「やめた!」ってカードをバラバラにして(笑)。負けず嫌いなんですよ。病院でもよくやっていました。大部屋だから、同じような年の子が多くて楽しかったんじゃないかな。

——あらためて、家族での旅行を再開できてよかったですね。

そうなんです! こどもホスピスに泊まってみて、子どもが楽しめるのはもちろん嬉しいですし、親にとっても「楽しいことも、我慢しなくていいんだ」と思えるようになったことは大きな収穫でした。看護師さんが常駐しているので、こどもホスピスでのお泊まりは外泊の練習をしているような感覚もあって。それで親のほうも自信がついたかな。私たちが「いつでも連れて行けるよ!」ってなったら、すずも嬉しいだろうし。

▲お父さんとお姉ちゃんも合流して、家族で焼肉を囲みました

収録:2021年12月4日(土)TSURUMIこどもホスピスにて

取材・執筆:MUESUM

撮影:衣笠名津美